グラスフェッドバターが合う料理・合わない料理
- 8月17日
- 読了時間: 5分
更新日:8月20日
グラスフェッドバターを料理に使うときの最大の基準は、フライパンにいつ入れるかです。高いバターだからこそ最初から炒め油として使いたくなりますが、それはおすすめしません。グラスフェッドバターの価値は特有の香りと軽やかな後味にあり、加熱しすぎるとその価値はすべて湯気と一緒に消えてしまいます。せっかく払った対価を無駄にせず、料理の味を底上げする使い分けの基準をお伝えします。
炒め油として使うと価値が飛ぶ
グラスフェッドバターを炒め物の最初に引くのは、費用対効果が合いません。 バターの香りは熱に弱く、高温で長く加熱するほど飛んでいきます。 特に夏場の青草を食べて育った牛のミルクで作るグラスフェッドバターは、爽やかな香りが特徴ですが、この香りはとても繊細です。 玉ねぎをあめ色になるまでじっくり炒めたり、肉の表面をフライパンでカリッと焼いたりする工程に使うと、お皿に盛り付ける頃には香りが残っていません。 さらに、グラスフェッドバターは一般的なバターと比べて後味がすっきりと軽く、あっさりしています。 そのため、料理の土台として強いコクやどっしりとした重みを出したい場面では、物足りなく感じることがあります。 ハンバーグのタネを炒めるときや、カレーのベースを作るときは、手頃な植物油や普通のバターを使うのが賢明です。 グラスフェッドバターは、香りを残すために別のタイミングで投入します。 では、いつフライパンに入れればよいのでしょうか。
火を止める直前に入れると香りが生きる
グラスフェッドバターが最も力を発揮するのは、料理の仕上げです。 肉や魚を焼き上げ、火を止める直前にひとかけら落とします。 フライパンの余熱でサッと溶かすだけで、グラスフェッド特有のミルクの甘みと香りがソースのように食材を包み込みます。 この方法なら、熱による香りの損失を最小限に抑えることができます。 パスタを作る際も同じです。 茹で上がった麺と具材をボウルで和えるときに加えると、バターの風味がダイレクトに舌に届きます。 冬に作られたグラスフェッドバターは貯蔵草を食べて育つため、乳脂肪が乗ってコクが増しています。 そのため、冬野菜のソテーや温かいスープの仕上げに落とすと、濃厚な味わいを楽しめます。 最初から使うのではなく、最後の一手として使う。 このルールを守るだけで、グラスフェッドバターの価値を余すところなく料理に生かせます。 仕上げに使う以外にも、グラスフェッドバターにぴったりの場面があります。
食材の熱で溶かしながら食べる料理に合わせる
調理の過程で熱を加えず、食べる瞬間に溶かす使い方もグラスフェッドバターの持ち味を引き出します。 代表的なのは、焼き立てのトーストやホットケーキです。 表面の熱でじんわりと溶け出したところを頬張ると、すっきりとした軽さに驚きます。 口どけがよく、後味がしつこくないため、パンそのものの小麦の味や香りを邪魔しません。 炊き立ての白いご飯にのせ、少しの醤油を垂らすバターご飯も良い選択です。 熱々のご飯に絡んだバターは、ミルクの甘みを引き立てます。 茹でたてのじゃがいもや、蒸したアスパラガスにのせるだけでも、立派な一皿になります。 夏場のバターは黄色みを帯びているため、白いご飯や淡い色の野菜にのせると見た目にも鮮やかです。 食材の熱を借りて溶かす食べ方は、バター本来の味を確かめる一番の方法です。 一方で、温かい料理だけでなく、冷たいまま使う場面でもグラスフェッドバターは活躍します。
固形のまま口に入れる料理で軽さを味わう
グラスフェッドバターは、加熱せずにそのまま食べる料理にもよく合います。 たとえば、薄くスライスしたバゲットに冷たいバターを厚めに挟むバターサンドです。 一般的なバターを塊で食べると重く感じますが、グラスフェッドバターはあっさりしているため、チーズのように食べられます。 生ハムやスモークサーモンと一緒にクラッカーにのせれば、それだけで立派なお酒のつまみです。 口の中の温度でゆっくりと溶けていく過程で、草の香りやミルクの甘みが広がります。 冬の白いバターであれば、より濃厚なコクをじっくりと味わうことができます。 お菓子作りでクッキーやパウンドケーキに練り込むのも良いですが、まずはそのままの味を試してみてください。 冷蔵庫から出してすぐの冷たい状態と、少し室温に戻した状態でも、口どけの印象は変わります。 休日の朝や少し贅沢をしたい夜、冷蔵庫から出したてのバターを切り分けてみてください。
よくある質問
Q. グラスフェッドバターでお菓子を作っても良いですか?
お菓子作りにも使えます。ただし、クッキーやケーキのようにオーブンで高温加熱する焼き菓子の場合、グラスフェッド特有の繊細な香りは飛びやすくなります。バタークリームやフロスティングなど、加熱せずに使うお菓子の方が、すっきりとした軽さやミルクの甘みを存分に生かせます。
Q. 料理に使うなら有塩と無塩どちらが良いですか?
仕上げの香り付けやトーストにのせて食べる場合は、味が引き締まる有塩バターが適しています。一方、料理の塩分を自分で細かく調整したい場合や、バターコーヒーに使う場合は無塩バターを選びます。用途に合わせて使い分けてみてください。
Q. 季節によって料理への使い分けは必要ですか?
厳密な決まりはありませんが、季節の特徴に合わせるとより楽しめます。夏場の青草の香りが立つ黄色いバターは、シンプルなトーストや蒸し野菜に。冬場のコクが増した白いバターは、スープの仕上げや温かいソースに加えると、それぞれの良さが引き立ちます。
関連する用語
この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。


