バターが溶ける温度と発煙点は別物
- 8月17日
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更新日:8月20日
バターが溶ける温度は、室温にしばらく置いたときに柔らかくなり、やがて液状へと変わっていく温度帯です。フライパンに落としたときに煙が出る温度とはまったく異なります。料理でバターが失敗するのは、煙が出るずっと手前、バターが溶けきった直後の状態に原因があります。
バターは溶けきった直後から水分が飛び始める
冷蔵庫から出した固いバターを熱いフライパンに落とすと、あっという間に溶けて泡立ちます。乳等省令では、バターは乳脂肪分80.0パーセント以上・水分17.0パーセント以下・大腸菌群陰性と定められています。このわずかな水分が、バターが溶けた直後に熱せられて蒸発し、泡となって現れる仕組みです。バターの香りは、この水分が飛んでいくときに一緒に空気中へ逃げてしまいます。煙が出る温度を気にするよりも、溶けて泡立っている瞬間に食材を絡めることが、香りを残すための分かれ道です。水分が完全に飛びきると、焦げの段階が近づいてきます。フライパンの上で何が起きているか、一度観察してみてください。
製造工程の温度管理が口どけを決める
私たちの工房でバターを作るときも、温度は最も気を使う要素の一つです。生乳からクリームを分離し、攪拌して脂肪の粒をまとめる工程では、季節によって細かく温度を調整しています。夏場は青草を食べて育った牛の乳が黄色みを帯び、すっきり軽やかな風味に仕上がります。一方、冬場は貯蔵草を食べるため乳脂肪が乗ってコクが増し、色は白に近づくのが特徴です。小さな機械で少しずつ作る小ロット製造だからこそ、その日の脂肪の硬さを見極め、口の中でなめらかに溶ける状態を作り出せます。お客さまから「あっさりしている」「軽さに驚く」という声をよくいただきます。これは繊細な温度管理の積み重ねによるものです。季節で変わる口どけの早さを、朝のトーストの上で確かめてみませんか。
高温で炒めたいときはギーを選ぶ
料理の途中でバターが焦げてしまうときは、乳固形分が原因です。バターを加熱して水分と乳固形分を取り除いた純度の高い乳脂肪をギーと呼びます。乳固形分が無いぶん焦げにくく、高温調理に向く性質を持っています。強火で香ばしく焼き色をつけたい肉料理などでは、溶ける温度や焦げを気にせず使えるギーが最適です。一方で、トーストに塗ったり、火を止めた後のソースに溶かし込んだりするときは、乳固形分の甘みと水分が残るバターの出番です。目的によって使い分けることで、料理の失敗は格段に減ります。
よくある質問
Q. バターを常温で保存してもよいですか
常温に置くと溶けて液状になり、風味が落ちてしまいます。使う分だけその都度切り出し、残りはすぐに冷蔵庫へ戻して冷たい状態を保つのが基本です。
Q. 夏と冬でバターの溶けやすさは違いますか
私たちのグラスフェッドバターの場合、夏は青草の香りが立ち、すっきりとして後味が軽くなります。冬は濃厚でコクが増すため、口の中での溶け心地もわずかに変わるのが特徴です。
Q. フライパンでバターを焦がさないコツはありますか
火をつける前の冷たいフライパンにバターと食材を一緒に入れます。そこから弱火でじわじわと温度を上げていくと、水分が急激に飛ばず、焦げを防ぐことができます。
Q. 溶かしバターを作るときの注意点はありますか
電子レンジで一気に加熱すると、内部の水分が急激に沸騰して飛び散ります。湯煎でゆっくりと液状に変化させていくと、香りを保ったままきれいに溶かすことが可能です。
関連する用語
この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。


