バターの匂いが苦手な人へ
- 8月17日
- 読了時間: 5分
更新日:8月20日
バターの匂いが苦手と感じる理由の多くは、バターそのものの香りではなく、冷蔵庫の奥で古くなったバターの記憶です。一度封を開けたバターは、空気に触れることで少しずつ酸化し、油特有の重たい匂いを放ち始めます。その酸化した油の匂いとバター本来の香りを、無意識に結びつけて記憶しているケースは少なくありません。新鮮なバターの香りと口溶けを知ることで、これまでのイメージが変わる可能性があります。
苦手な匂いの正体は酸化した油の記憶である
トーストに塗ったときや、フライパンで溶かしたときに感じるむわっとした重い匂い。これが苦手でバターを避けている人は少なくありません。しかし、その匂いの原因はバターそのものではなく、時間の経過による酸化です。乳等省令では、バターは乳脂肪分80.0パーセント以上・水分17.0パーセント以下・大腸菌群陰性と定められています。成分の大部分が脂肪分であるため、空気に触れるとどうしても酸化が進んでしまいます。
冷蔵庫の中で銀紙に包まれたまま何日も経ったバターは、表面から少しずつ黄色が濃くなり、匂いも重く変化します。さらに、バターは他の食材の匂いを吸着しやすい性質を持っています。子どもの頃の食卓や、いつ開けたかわからないバターを使った料理の記憶が、バターは重くてくどい匂いという印象を作っているのです。切り立ての新しい断面から漂う香りは、驚くほど穏やかです。まずは、買ってきたばかりの新鮮な状態で香りを確かめてみてください。本来のバターがどのような香りを持っているのか、その違いに気づくはずです。
グラスフェッドバターはすっきりして後味が軽い
バターの重たい匂いが苦手な人には、牧草を食べて育った牛の乳から作るグラスフェッドバターという選択肢があります。当社が製造するグラスフェッドミルクのバターは、すっきりとして後味が軽いのが特徴です。口に含むと体温でスッと溶け、重たい油っぽさが残りません。ミルクの自然な甘みだけがふわりと漂います。
実際にお客様からは、あっさりしている、軽さに驚くという反応をよくいただきます。一般的なバターに感じるようなくどさがないため、バター特有の香りが苦手な人でも無理なく食べられます。トーストにのせても、パンの香ばしさを邪魔せず、すっきりとまとまるのです。バターのコクは欲しいけれど、あの匂いや胃にたまる感じは避けたい。そんなときは、グラスフェッドバターを一度試してみてください。原料となるミルクの育ち方で、バターの風味は大きく変わります。
季節によってバターの色と香りは変化する
工場で大量生産されるバターは一年中同じ味と色を保つように調整されますが、本来のバターは季節の移ろいとともに変化します。当社のグラスフェッドバターも、夏と冬で明確な違いがあります。青草をたっぷり食べる夏の時期は、青草の香りが立ち、すっきり軽やかな風味をもたらします。牧草由来の成分によって、バターの色も鮮やかな黄色みを帯びます。
一方、貯蔵草を食べる冬の時期は、乳脂肪が乗ってコクが増し、濃厚な味わいになります。草の香りは穏やかになり、色は白に近づきます。バターの匂いが気になる人は、香りが穏やかになる冬のバターから試すのもひとつの方法です。逆に、すっきりとした軽さを求めるなら夏のバターが合うでしょう。色、草の香り、コクはそれぞれ別の軸で変化します。季節によって表情を変えるバターの性質を知ると、自分の好みに合う時期を見つけることができます。スーパーの冷蔵庫に並ぶバターがいつ作られたものか、少し気になりませんか。
新鮮な状態を保つために小さなサイズを買い切る
バターの酸化を防ぎ、嫌な匂いを出さないための確実な方法は、新鮮なうちに使い切ることです。大きなブロックを買って少しずつ使うよりも、今の自分の生活で使い切れる小さなサイズを選ぶことが、美味しい状態を保つ秘訣と言えます。
買ってきたバターを最後まで美味しく食べるために、以下の手順を試してみてください。
使う分だけを清潔なナイフで切り出す
残りは空気に触れないようラップでぴったりと包む
さらに密閉容器やジッパー付きの袋に入れて冷蔵庫にしまう
銀紙の隙間から空気が入ったり、冷蔵庫内の他の食品の匂いが移ったりするのを防ぐだけで、バターの風味は長く保たれます。もし使い切るのに時間がかかりそうな場合は、あらかじめ一回分ずつ小さく切り分け、ラップで包んでから冷凍庫で保存します。使うときは冷蔵庫に移して解凍するか、凍ったままフライパンに入れて調理にそのまま使います。このひと手間で、あのむわっとした古い油の匂いを防ぐことができます。明日の朝、トーストにのせるバターの香りを確かめてみてください。
よくある質問
Q. バターの匂いを消す調理法はありますか? 一度酸化して重たい匂いが出てしまったバターの匂いを完全に消すことはできません。カレーやシチューなど、香辛料の強い料理の隠し味として使うと気になりにくくなります。普段の料理では、新鮮なバターを使い、加熱しすぎないことが本来の香りを生かすコツです。
Q. 発酵バターと普通のバターで匂いは違いますか? 違います。発酵バターは、製造工程で乳酸菌を加えて発酵させるため、ヨーグルトのような爽やかな酸味と独特の芳醇な香りが生まれます。普通のバター(非発酵バター)のクセのない香りが好きな人もいれば、発酵バターの華やかな香りを好む人もいます。
Q. グラスフェッドバターは草の匂いがしますか? 夏の青草を食べる時期に作られたグラスフェッドバターは、青草の香りが立ちます。ただし、青臭いわけではなく、すっきりと軽やかな風味として感じられます。冬の貯蔵草を食べる時期のバターは、草の香りが穏やかになります。
関連する用語
この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。


