top of page

全脂乳と糖尿病の意外な関係

  • 8月9日
  • 読了時間: 3分

更新日:8月22日

「乳脂肪=体に悪い」という単純な図式は、近年の研究で見直しが進んでいます。血中の乳脂肪由来の脂肪酸(バイオマーカー)を測った複数の観察研究で、乳脂肪の摂取の痕跡が多い人ほど2型糖尿病の発症が少ない、という関連が報告されたためです。因果関係はまだ確立していませんが、「脂肪を抜けば健康」という常識には再考の余地が生まれています。



3行でわかる


血中の指標を使った観察研究で、乳脂肪と2型糖尿病リスク低下の「関連」が報告されています。

因果関係は未確立です。「全脂乳を飲めば糖尿病を防げる」とは言えません。

確かなのは、「乳脂肪=悪」と単純に切り捨てる時代は終わりつつあることです。



研究はどう変わったか


かつての栄養学は、飽和脂肪酸を多く含む乳脂肪を一律に「控えるべき脂肪」と扱ってきました。低脂肪・無脂肪の乳製品が推奨されてきた背景です。

流れを変えたのは、測り方の進歩です。食事アンケートではなく、血中に残る乳脂肪特有の脂肪酸を測る研究が行われるようになりました。思い出しの誤差に頼らない、客観的な指標です。

研究の型

分かったこと

血中バイオマーカーの観察研究

乳脂肪の指標が高い人ほど2型糖尿病の発症が少ない関連

従来の食事調査研究

全脂肪乳製品が有害という一貫した証拠は出ていない

介入研究(因果の確認)

決定的な結論はまだ出ていない

「関連」の理由はまだ説明しきれていません。乳脂肪に含まれる特定の脂肪酸の働き、発酵乳製品との組み合わせ、乳脂肪を摂る人の食生活全体。候補は複数あり、研究が続いています。



実践はどう変わるか


この知見は「全脂乳を飲むほど健康になる」という新しい神話に置き換えるためのものではありません。

言えるのは、脂肪の量だけで乳製品の善悪を決める必要はない、ということです。全脂か低脂肪かは、エネルギー管理の必要性と味の好みで選んでよい。脂肪への恐怖で選択肢を狭めるのは、証拠に合わなくなっています。



よくある質問


Q. 糖尿病予防に全脂乳を飲むべきですか。

そこまでは言えません。報告されているのは関連であり、因果は未確立です。予防の基本は体重管理・運動・食事全体のバランスです。


Q. 低脂肪乳を選んできたのは間違いでしたか。

間違いではありません。エネルギーを抑えたい人にとって低脂肪乳は今も合理的な選択です。


Q. バターや生クリームも同じ話ですか。

この研究の中心は牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品です。脂肪を濃縮した食品はエネルギーが高く、量の管理は別途必要です。


Q. すでに糖尿病の場合は。

食事療法は病状に合わせて設計されます。主治医・管理栄養士の指導を優先してください。



関連する用語




出典


厚生労働省 e-ヘルスネット ── 糖尿病の予防(体重・運動・食事)に関する解説

この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。

 
 
bottom of page