放牧酪農のメリット・デメリットを両方知る価値
- 8月10日
- 読了時間: 4分
更新日:8月20日
放牧酪農のメリットは、牛が自然な環境で過ごせることや、草由来の風味が牛乳に宿ることです。一方でデメリットは、天候に左右されやすく、限られた土地で少量の牛乳しか搾れないことです。長所だけの農法はありません。制約ごと理解することで、日々の食卓に並ぶ牛乳の本当の価値が見えてきます。
牛が歩き回る環境は、ストレスの軽減と草の風味をもたらします
放牧酪農の魅力は、牛が牛らしく過ごせる環境にあります。 牛舎に繋がれず、自分の足で草をはみ、好きな場所で寝転がるのが日常です。 自由に動き回ることで、牛のストレスは自然と和らぎます。 そして、青草をたっぷり食べた牛から搾る牛乳には、季節ごとの草の香りが宿ります。 春から夏は青草の香りとともにすっきりと、秋から冬はコクのある味わいへと変化していくのが特徴です。 朝のトーストのお供としてグラスに注いだとき、その一口から季節の移ろいを感じられます。 スーパーの棚で放牧牛乳を手に取ることは、自然のサイクルそのものを持ち帰るような体験です。 ただ、自然に委ねるということは、同時に自然の厳しさを引き受けることでもあります。
天候に左右され、生産量が限られるという現実があります
放牧酪農の裏側には、土地と気候という大きな壁が存在します。 牛が一日中草を食べて過ごすためには、広大な土地が欠かせません。 自然環境に依存するため、以下のような制約が生まれます。
雪に覆われる時期は放牧を休まざるを得ない
歩き回ってエネルギーを使う分、搾れる乳の量が減る
広い土地と手間が必要なため、価格が高くなりやすい
牛舎で計算された餌を与える農法に比べると、天候次第で乳の味も量も変わってしまいます。 生産量が少なく、広い土地が必要になれば、牛乳の価格はどうしても高くなります。 冷蔵庫に常備するには少し躊躇する価格帯かもしれません。 理想的な農法に見えても、効率よく大量の牛乳を届けることには向いていません。 では、この「高くて少ない」牛乳を選ぶ意味はどこにあるのでしょうか。
制約を知って選ぶとき、毎日の牛乳は単なる飲み物を超えます
メリットとデメリットは、表裏一体です。 量が少ないのは、牛が自分の足で歩いている証拠と言えます。 味が毎回違うのは、その時々の草を食べているからです。 価格が高いことには、広大な土地を維持し、自然環境を守るための費用が含まれています。 良いところだけを取り出した農法は存在しません。 光と影の両面を知ることで、日々の食卓に並ぶ一杯の牛乳が持つ背景が見えてきます。 天候に一喜一憂し、草の育ち具合を見守る酪農家の苦労を知ると、グラスへの注ぎ方も少し変わるはずです。 次に牛乳売り場に立ったとき、パッケージの裏側にある「牛の暮らし」を想像してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q. 冬の間、放牧の牛はどうしているのですか。 冬は草が雪に覆われるため、牛舎の中で過ごします。その間は、夏のうちに刈り取って保存しておいた干し草などを食べて春を待ちます。
Q. 放牧牛乳は普通の牛乳と味が違いますか。 草を食べて育つため、季節によって味が変わります。春から夏にかけては青草の香りがしてさっぱりとし、秋から冬にかけては保存した草を食べるためコクが出ます。
Q. スーパーで放牧牛乳を見分ける方法はありますか。 パッケージに「放牧」や「グラスフェッド」と書かれているものを探します。また、放牧畜産基準を満たした牧場には認証マークがついていることもあります。
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この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。


