酪酸を知るメリット
- 8月10日
- 読了時間: 4分
更新日:8月21日
酪酸はバターから見つかった成分です。英語の butyric acid も、ラテン語でバターを指す butyrum に由来します。牛の乳の脂肪に特徴的に含まれる短鎖脂肪酸で、総脂肪酸のうち重量にしておよそ4から5パーセントを占めます。
バターの中では、酪酸は匂いません
意外に思われるかもしれませんが、酪酸そのものは、けっして良い匂いの成分ではありません。単体では酸っぱく、汗やチーズを思わせる強い匂いがします。それでもバターが香ばしいのは、酪酸が脂肪の分子に結合したまま閉じ込められているからです。
バターが古くなると独特の不快な匂いが出るのは、この結合がほどけて酪酸が遊離するためです。つまり同じ成分が、結びついているうちは香りを支え、離れると劣化のサインになります。バターの香り自体は酪酸だけで決まるものではなく、ラクトン類やジアセチルなど複数の成分が重なって生まれます。では、この酪酸は体の中でどう扱われるのでしょうか。
短い分子ほど、体は速く受け取ります
酪酸は短鎖脂肪酸というグループに分類されます。短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸は消化吸収が速いことが栄養学で知られています。分子が短いぶん、胃や腸に負担をかけにくく、素早くエネルギーに変わるのが特徴です。
朝のバターコーヒーにグラスフェッドバターを溶かすのは、この性質を活かした飲み方です。油でありながらすっきりと飲める理由は、この構造にあります。冷たいバターを温かいコーヒーに落として混ぜ合わせるだけで、その日の始まりのエネルギー源になります。
腸内細菌が作る成分を、食品から直接取り入れられます
酪酸は食品から摂るだけでなく、私たちの腸内でも作られています。食物繊維を食べた腸内細菌が、発酵の過程で作り出す成分です。現在進行形の腸内細菌研究で大きな注目を集める存在でもあります。
バターを食べると、腸内細菌の働きを待たずに食品から直接この酪酸を取り入れられます。毎朝のトーストにバターを乗せる動作は、話題の成分をそのまま味わう豊かな時間です。野菜や海藻から食物繊維を摂るのと同じように、バターを食べることもまた体へのアプローチの一つになります。
バターの香りは、温めると増えます
バターの香りが温めると立ち上がるのは、揮発しているからだけではありません。加熱すると、乳脂肪の中にある材料からラクトン類やメチルケトン類が新しく生まれ、香りの成分そのものが増えます。分析では、加熱したバターの香気成分は、フレッシュな状態と比べてラクトン類で2倍から5倍、メチルケトン類で約10倍に増えると報告されています。
焼き立てのトーストにたっぷりと乗せる
温かいコーヒーに落としてよく混ぜる
蒸したジャガイモにそのまま乗せる
冷蔵庫から出してすぐの冷たい状態と、料理の熱でとろけた状態では、香りの立ち方がまったく異なります。いつものバターを変えてみると、毎日の食卓の景色が少し変わるかもしれません。明日の朝、トーストの上で溶けていくバターの香りを確かめてみませんか。
よくある質問
Q. 酪酸そのものはどんな匂いがしますか
単体では酸っぱく、汗やチーズを思わせる強い匂いがします。バターの中では脂肪の分子に結合しているため、この匂いは表に出てきません。古くなったバターが不快な匂いを出すのは、その結合がほどけて酪酸が遊離した状態になるからです。
Q. グラスフェッドバターの方が酪酸は多いですか
酪酸のような短鎖脂肪酸は、餌の脂肪がそのまま乳に移るのではなく、牛の乳腺で作られます。そのため飼料の違いによる変動は、不飽和脂肪酸ほど大きくありません。放牧で草を食べた牛の乳で明確に増えるのは、共役リノール酸やオメガ3系の脂肪酸、そして黄色みのもとになるβ-カロテンのほうです。
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この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。


