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アニマルウェルフェアはヒトにも優しい

家畜にやさしい「アニマルウェルフェア」は消費者にも優しく、それを通じて提供される食品はおいしくて健康的。その典型例がグラスフェッドミルクです。



世界に広がるアニマルウェルフェアの潮流

日本では聞きなれない「アニマルウェルフェア」は、人が飼う動物は人と同じように最低限度の福祉を享受されるべきとの考え方です。家畜やペットなど人間がかかわりを持つ動物に、できる限り苦痛やストレスなどを掛けないようにすることであり、日本語では「動物福祉」と訳されることもあります。


農林水産省はアニマルウェルフェアに関して、「家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすことが重要であり、結果として、生産性の向上や安全な畜産物の生産にもつながる(※1)」と指摘しています。家畜本位で育てることは、食品の生産性や安全につながるということです。

※1:農水省HPより https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/animal_welfare.html



さて、アニマルウェルフェアはすでに世界に広がっています。米国では、コーヒーショップチェーン大手のスターバックスが自社の提供する食品や乳製品に関して、アニマルウェルフェアに沿うことが社会的な責任に資すると指摘し、世界のスターバックスでこのことを実践しています。また、ネスレやユニリーバ、インターコンチネンタルホテルズグループなど名だたる一流企業が、アニマルウェルフェアを価値基準として採用しています。

※2:同社関連ページより  https://stories.starbucks.com/press/2018/animal-welfare-friendly-practices/


一方、日本でもハンバーガーチェーンのマクドナルドが、エシカル消費(倫理的消費)の一環としてアニマルウェルフェアを食材の調達基準として採用していると、消費者庁が報告しています(※3)

※3 消費者庁HPより https://www.ethical.caa.go.jp/myethical/kikou2021061601.html


グラスフェッド酪農がアニマルウェルフェアにつながる

ところで、アニマルウェルフェアという考え方は、18世紀のヨーロッパで動物愛護精神の高まりとともに生まれたと言われています。その後もこの考え方は発展し、1960年代には英国政府によって法制化されました。その中では、人間に飼われる動物に「5つの自由」が保証されなければならないとされ、今やこれが国際的なアニマルウェルフェアの基準と見られています。


<5つの自由>

①飢餓、渇きからの自由

②苦痛、傷害又は疾病からの自由

③恐怖及び苦悩からの自由

④不快さからの自由

⑤正常な行動ができる自由



この「5つの自由」を酪農の牛についてみれば、牛に対して、①しっかりと栄養価のある牧草やきれいな水を与え、②病気やけがをしないように配慮し、③ストレスを与えないように管理し、④暑さや衛生面に注意し、さらに⑤広い牧草地に放牧すれば、アニマルウェルフェアの基準を基本的には満たすことになります。そして、このような酪農の典型が、放牧と牧草によるグラスフェッド酪農です。


したがって、アニマルウェルフェアは、単なる動物愛護ではありません。5つの自由を保障された牛はストレスを感じず、十分な栄養を摂り運動をすることで、最も高い水準の健康体を保つことができます。その理想的な健康体の牛からとれるミルクが美味しく、飲んだ人の健康につながることは当然と言えるでしょう。


アニマルウェルフェアは動物のためならず。人にとっても大切な考え方です。





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