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EPA/オメガ3は何者か?

健康番組などで頻繁に取り上げられる血液サラサラ成分のEPAやオメガ3は、いったい何者でしょうか。


血液サラサラ効果

まず、EPAは「エイコサペンタエン酸」の略称であり、イワシやサバなどの青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸(オメガ3系脂肪酸、ないしオメガ3)の一つです。


 オメガ3の一種であるEPAには血液をサラサラにする効果があることが広く知られています。同時に、中性脂肪値を下げる効果、血管年齢を若く保つ効果、心臓病・脳梗塞を防ぐ効果、動脈硬化を防ぐ効果などが認められています。実際、ほぼ100%純度のEPAは医薬品として、高脂血症や閉鎖性動脈硬化の治療薬として使われています。 


 なお、EPAが「血液をサラサラにする」ということを科学的にみれば、ヒトが摂取したEPAが赤血球の膜に取り込まれると赤血球自身が柔らかくなり、その結果として血液の粘度が低下する(サラサラになる)という現象です。



イヌイットの食生活からの発見

 このようなEPAの働きが分かったきっかけは、グリーンランドに住むイヌイットのなかで、心疾患で亡くなる人が非常に少ないという事実が明らかになったことです。1982年当時の北欧の調査によると、デンマーク人の死因の約35%が心筋梗塞などの心疾患によるものであったのに対して、イヌイットのそれは約5%にとどまっていました。


 イヌイットの血液を分析すると、他の欧州人に比べてEPAが非常に多く含まれていました。実は、そのEPAは、イヌイットの主食であるアザラシが餌とする青魚に由来するものであることが突き止められました。そして、このEPAこそが、その後の研究を通じて、心疾患を防ぐ効果があることが科学的に証明されました。



EPA(オメガ3)は青魚からと言われますが・・・

 ところで、そのような重要な働きをするEPA(すなわちオメガ3)は、対内では合成されにくく、体の外部から食物としてとる必要があります。ただ、うれしいことに、EPAを含む食品を摂取すると、血液中のEPA濃度は比較的容易に上昇してくれます。逆に、EPAを意識的に摂取しないと、血液中のEPA濃度は低下してしまいます。


 そこで、EPAを積極的に取り入れようと、消費者の間でサバ缶ブームが起きた時期もありました。ただ、EPAをとるためだけに魚を食べることには無理があります。毎日サバ缶では飽きてしまいます。


 そもそも、日本人の食事が多様化する中で、牛肉や豚肉などが好まれるようになった結果、魚の消費量は過去20年間で大きく減少しています。ちなみに、食用魚介類の1人1年当たりの消費量は、2001年度の40.2kgをピークに減少傾向にあり、2019年度には23.8㎏とピークから4割以上減っています。


乳製品でもオメガ3

 そうしたなか、魚のEPA以外からオメガ3を摂取できる食品が注目されています。その典型例がエゴマ油や亜麻仁油です。これらの植物油にはオメガ3の一種であるαーリノレン酸(ALA)が多く含まれており、EPAと同様に血中の中性脂肪を下げる作用、血栓防止や高血圧予防の作用があるといわれています。


 実は、牛乳にもオメガ3が含まれており、中でも牧草で育てた牛のグラスフェッドミルクには、通常の牛乳よりも多くのオメガ3が含まれていることが分かっています。牧草に含まれる植物由来のオメガ3がミルクに含まれるからです。


 このように見ると、オメガ3を得るために頑張って青魚ばかりを食べる必要はなさそうです。亜麻仁油などの植物油をサラダに混ぜる、また朝食にグラスフェッドの乳製品を加えることで、バランスよくオメガ3を体内に取り込むことができます。長期的に血液サラサラを保って健康な生活を続けるためには、様々な食材から無理のない形でオメガ3をとることが肝要です。





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