乳脂肪のビタミンという別の顔
更新日:8月22日
乳脂肪は、エネルギー源であるだけでなく、脂溶性ビタミンの運び役でもあります。牛乳の黄色みのもとになるβ-カロテン(体内でビタミンAに変わる)や、ビタミンA・ビタミンKなどは脂肪に溶けて存在するため、脂肪を除いた乳製品では、これらも一緒に減ります。「脂肪=ただのカロリー」という見方は、半分しか正しくありません。
乳脂肪を除くと、脂肪に溶けるビタミンも一緒に減ります
ビタミンA・K・β-カロテンなどは「脂溶性」=脂肪に溶けて運ばれます。
乳脂肪を除くと、脂肪と一緒に脂溶性ビタミンも減ります。
低脂肪が悪いのではなく、「何を残し何を減らすか」の選択だと知ることが大切です。

脂肪に「乗っている」栄養
成分 | 働き | 乳脂肪との関係 |
ビタミンA | 目や皮膚・粘膜の健康維持 | 脂肪に溶けて存在 |
β-カロテン | 体内で必要に応じてビタミンAに | 夏の青草由来。乳の黄色みのもと |
ビタミンK | 血液の凝固・骨の健康に関与 | 脂肪に溶けて存在。発酵乳製品ではK2も |
ビタミンD | カルシウムの吸収を助ける | 脂溶性(牛乳中の量は多くない) |
脂溶性ビタミンは、その名のとおり脂肪と一緒に吸収されます。乳脂肪は、これらの成分の器であり、吸収の助け役でもあるのです。
グラスフェッドのミルクやバターの黄色が濃いのは、青草のβ-カロテンが乳脂肪に移って濃縮されるからです。色は、脂肪がビタミンの運び役であることの、目に見える証拠でもあります。
全脂と低脂肪の選び方が変わる
低脂肪乳は、エネルギーを抑えたい人にとって合理的な選択です。その合理性は変わりません。
知っておきたいのは、その選択が「カロリーだけを減らす」のではなく「脂肪に乗った成分ごと減らす」選択だということです。逆に全脂の乳製品を選ぶことは、エネルギーと一緒に脂溶性の栄養も受け取る選択です。
どちらが正解かは目的しだい。ただ、選択の中身を知って選ぶのと、脂肪への漠然とした恐怖で選ぶのとでは、意味が違います。
よくある質問
Q. 低脂肪乳ではビタミンが摂れないのですか。
ゼロではありませんが、脂溶性ビタミンは脂肪とともに減ります。たんぱく質やカルシウムは低脂肪でも摂れます。
Q. バターは脂肪の塊ですが栄養はありますか。
乳脂肪を濃縮した食品なので、脂溶性ビタミンも濃縮されています。エネルギーも高いため、少量を楽しむ食品です。
Q. β-カロテンは摂りすぎになりませんか。
β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため、食品からの摂取で過剰症の心配はほとんどないとされています。
Q. ビタミンDは牛乳で足りますか。
牛乳中の量は多くないため、魚やきのこ、適度な日光との組み合わせで考えてください。
関連する用語
出典
日本食品標準成分表(八訂)── 乳類の脂溶性ビタミン成分値
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」── 脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の解説
この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。


