北海道でA2ミルクは手に入るのか
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北海道でA2ミルクを探しても、身近なスーパーの棚ですぐに見つかる状況にはありません。北海道の生乳流通の仕組みそのものが、特定の牛乳を分けて運ぶことと相性が悪いからです。生乳の生産量が多い土地ほど、効率よく集めて混ぜて運ぶことが優先されます。A2ミルクが北海道で当たり前にならないのは、酪農が強いからこそです。
北海道の酪農の強さが牛乳を分けにくくしている
北海道の生乳は、広大な土地にある無数の牧場から毎日集められます。絞りたての生乳を新鮮なうちに工場へ届けるため、大型のタンクローリーが複数の牧場を回り、ひとつの大きなタンクに生乳を合わせていきます。A2ミルクを作るには、A2型の遺伝子を持つ牛だけを集め、その生乳が他の生乳と一滴も混ざらないように専用のタンクで運び、専用のラインで殺菌してパックに詰めなければなりません。圧倒的な生乳の生産量を誇る北海道の流通網は、すべてを混ぜて効率よく大量に運ぶために最適化されています。北海道の酪農が強いからこそ、日常の棚に並べるハードルが高くなっています。では、牛を分けること自体は簡単なのでしょうか。
牛の遺伝子を調べて分ける体制が整ったのは最近のこと
牧場にいる牛がA2型の牛乳を出すかどうかは、牛の見た目からは判断できません。牛の耳片や毛根、血液などを採取し、遺伝子を調べる必要があります。日本国内でこの検査体制が本格的に整ったのは、2020年代に入ってからのことです。現在は、特定の技術を応用した手法などで、遺伝子の配列がA2型かA1型かを判定できるようになりました。民間の受託分析会社に依頼すれば、30,000円(税別)で検査を受けることも可能です。しかし、牧場にいる数十頭から数百頭の牛をすべて検査し、A2型の牛だけを別の牛舎に分け、搾乳の機械も完全に分ける作業は、農場にとって大きな負担です。さらに、出荷する牛乳にA1型が混ざっていないかを確認する検査技術も必要になります。
牛乳そのものを検査する技術が国内で確立された
農場で牛を分けたとしても、工場でパックに詰めるまでにA1型の牛乳が混ざらない保証が必要です。これまでは、牛乳の中のタンパク質を直接測る手軽な方法が不足していました。近年、東京農業大学と重井医学研究所の共同開発により、A1型のタンパク質だけに結合する抗体を使った検査法が作られました。これにより、出荷される牛乳そのものを定期的に調べることが現実的になりました。2024年に入り、この仕組みを使った認証制度も始まり、首都圏や関西の一部で発売されています。それでも、北海道のスーパーにすぐ並ぶわけではありません。そこには、歴史的な背景も関係しています。
A2ミルクの仕組みは特許の時代を経て広がっている
A1型のタンパク質を問題視する仮説は、1990年代のニュージーランドで生まれました。その後、ニュージーランドの企業が中核的な特許を取得し、ライセンス方式で生産者に作らせるビジネスを展開しました。この特許は実在し、欧州では2015年に、米国では2016年に満了しています。つまり、この特許を根拠にしたライセンス契約の時代は終わっています。ただし、名称の使い方や表示については別の権利や制度が関わるため、生産を検討する場合は個別に確認が必要です。日本でも2020年に日本A2ミルク協会が設立され、少しずつ動きが始まっています。ただ、お腹の調子との関係については、まだ整理しておくべき事実があります。
科学が証明していることと個人の体感は分けて考える
欧州食品安全機関は2009年に107ページの報告書をまとめました。そこでは、1997年以降の研究を検証した結果、A1型のタンパク質と非感染性疾患との間に因果関係は確立できないと結論づけています。ここで注意したいのは、欧州食品安全機関が検証したのは病気との関係であり、牛乳を飲んだときのお腹のゴロゴロ感といった消化器の不快感ではないということです。お腹の調子が良くなるかどうかは、今の科学で完全に断定できる段階にはありません。牛乳でお腹が鳴る原因の多くは乳糖にあり、A1型とA2型のどちらの牛乳にも乳糖は同じように含まれています。それでも、違いを感じる人がいるのも事実です。自分の体に合うかどうかは、実際に試して確かめるしかありません。朝の食卓に並ぶ牛乳の選択肢として、まずは身近な売り場を覗いてみてください。
よくある質問
Q. 北海道のスーパーでA2ミルクは買えますか 現状では、北海道内の一般的なスーパーの棚で見つけるのは難しい状況です。2024年3月に認証制度を通じた商品が発売されましたが、主な販売先は首都圏や関西の百貨店とスーパーです。北海道内で手に入れるには、個別の牧場が直接販売しているものを探すか、通信販売を利用するのが確実な方法です。
Q. A2ミルクと普通の牛乳で味は違いますか A1型とA2型の違いはタンパク質の構造の違いであり、味そのものを決定づけるものではありません。牛乳の味は、牛が食べているエサの種類や、季節による気温の変化、そして工場での殺菌温度によって大きく変わります。A2ミルクだから美味しいというよりも、それを作っている牧場の飼育環境が味の決め手になります。
Q. A2ミルクならお腹がゴロゴロしませんか 科学的に全員のお腹がゴロゴロしなくなるとは言い切れません。牛乳でお腹が不快になる原因の多くは、牛乳に含まれる乳糖をうまく消化できない乳糖不耐によるものです。A2ミルクにも乳糖は通常の牛乳と同じように含まれています。人によっては飲みやすさを実感することもありますが、体質に合うかどうかは個人差があります。
Q. 牛乳のパックにA2と書いていなければA1ミルクなのですか 市販されている通常の牛乳は、A1型とA2型のタンパク質が混ざった状態です。日本の乳牛の多くはA2型の遺伝子も持っているため、普通の牛乳にもA2型のタンパク質は含まれています。A2ミルクとは、A2型のタンパク質だけを含む生乳を、他の生乳と一切混ぜずに製品化したものを指します。
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この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。


