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乳糖不耐の検査はどこで受けられるのか

  • 8月18日
  • 読了時間: 6分

更新日:8月20日

乳糖不耐症の検査は、消化器内科や胃腸科などの医療機関で受けられます。ただ、病院へ行く前に自宅の冷蔵庫の前でできることがあります。何をどれだけ飲んだときに不調が起きたかを2週間書き出すだけで、原因の候補はかなり絞れます。



呼気水素の量で腸内の発酵を確かめる


病院で行われる検査のひとつに、呼気水素テストがあります。乳糖を含んだ液体を飲み、一定時間ごとに吐き出した息に含まれる水素の量を調べます。乳糖を分解する酵素が十分に働いている人は、乳糖が小腸で吸収されていきます。そのため、息の中の水素は増えません。

しかし、酵素が足りない人は、乳糖が未消化のまま大腸へ届きます。大腸の腸内細菌がその乳糖を発酵させるときに水素ガスが発生し、それが血液に乗って肺から吐き出される仕組みです。呼気水素の上昇を確認することで、乳糖が消化できているかどうかを客観的な数値として把握できます。この検査によって、不調の原因が乳糖によるものなのかを切り分けます。

しかし、数値で乳糖不耐ではないと分かったとしても、不調が消えるわけではありません。検査で乳糖不耐ではないと判定された人が、それでも牛乳を飲むと不調を感じるケースが存在します。このとき、原因は乳糖以外のところにある可能性が浮上してきます。自分の体が何に反応しているのかを知るためには、さらに別の角度から事実を見ていく必要があります。



牛乳で不調になる理由は一枚岩ではない


日本の乳業界団体であるJミルクの委託で行われた臨床研究を見てみます。日常的に牛乳や乳製品でおなかに自覚症状が出る人に牛乳を飲ませたところ、乳糖を減らした牛乳を飲んでも明らかな症状を訴える人が一定数存在しました。Jミルクはこの結果から、乳糖を原因としない消化器症状を発現する人が一定数存在する可能性はあると述べています。

このことは、別の試験でも示されています。2020年に米国の臨床栄養学の学術誌に載った試験では、乳糖不耐と確定診断された10人において、A2ミルクが吐き気と便意切迫を軽減し、呼気水素の上昇も抑えられました。一方、自分では乳製品に弱いと感じているものの検査では乳糖不耐でなかった20人は、牛乳の種類にかかわらず飲んですぐに膨満やガスといった症状が出ています。彼らの呼気水素は上がりませんでした。

乳糖不耐でない人の不調は、牛乳の種類を変えても消えなかったという事実です。牛乳で不調になる人は一枚岩ではありません。乳糖に反応する人もいれば、乳糖以外の成分に反応する人も存在します。自分の不調がどちらのタイプなのかを見極めることが、次の行動を決める土台になります。



たんぱく質の種類が消化に影響する可能性を整理する


乳糖以外の原因として目が向けられているのが、牛乳のたんぱく質です。たんぱく質の消化は胃から始まります。牛乳のカゼインは胃に入ると胃酸で凝集してカードと呼ばれるヨーグルト状の塊になり、いったん胃に留まる性質を持ちます。Jミルクはこれについて、胃の中で固まるからこそ消化が良くなると説明しています。

このカゼインのひとつであるβカゼインには、A1型とA2型などの種類が存在します。A1型は67番目のアミノ酸がヒスチジンで、胃のペプシンや腸のトリプシンなどで切断されやすい構造です。ここが切断されると、上流の7つのアミノ酸残基が切り出されてβカソモルフィン7というペプチドができるとされます。一方、A2型は67番目がプロリンで、たんぱく質分解酵素の影響を受けにくくこのペプチドが生成されないと考えられています。

ただし、これは試験管の中での確認にとどまります。実際に人の胃や小腸でこのペプチドが生成し、それが小腸から吸収されて血中に存在したり、腸管に刺激を与えたりすることについての臨床的な検証は十分に行われていません。Jミルクも、A2ミルクがおなかにやさしいとされる科学的根拠について、作用機序の説明は難しく不明な点も多く存在すると整理しています。



毎日の記録が自分の体の傾向を教えてくれる


検査の仕組みや成分の違いを知ったうえで、冷蔵庫の前で今日からできる行動があります。それは、飲んだものと体の反応を記録する作業です。朝食のトーストと一緒に飲んだ牛乳の量、間食で食べたヨーグルト、料理に使ったチーズなどを書き出します。ヨーグルトやチーズは、製造の発酵工程で乳糖の一部が分解されています。乳糖が減った乳製品を食べたときに不調が出るかどうかは、重要な手がかりになるはずです。

たんぱく質を足すこと自体で消化器症状が出ることは、消化器の分野では実際に報告されています。2013年に消化器病学の学術誌に載った試験では、自己申告のグルテン過敏の人が発酵性の糖質を減らした食事のうえでグルテンを負荷されました。その結果、グルテンを足したときもホエイたんぱく質を足したときも同じように症状が悪化しています。

自分の不調が乳糖の量と連動しているのか、それとも乳製品そのものに反応しているのか。2週間ほど記録を続けると、自分の体の傾向が見えてきます。その記録を持って医療機関を受診すれば、医師もより正確に状況を把握できます。自分の体を注意深く観察することは、どんな検査よりも先にできる確実な一歩です。



よくある質問


Q. A2ミルクの検査はどこで行われていますか 牛の遺伝子型を調べる検査は、国内の受託機関などで行われています。東京農業大学の研究者が開発した方法が使われ、遺伝子の配列を検出します。出荷される牛乳そのものにA1型が混じっていないかを調べる検査もあり、日本A2ミルク協会の認証では抗体を用いた測定法が使われます。国内の受託分析会社でも純度検査が受けられます。


Q. A2ミルクにはA1型が全く含まれていないのですか 日本A2ミルク協会の認証制度は、定期的な検査でA1の混入を確認する仕組みです。A1が何%未満といった数値の基準は公表資料に記載がありません。2003年にニュージーランドの公正取引当局は、A2ミルクにA1型が全く含まれないと示唆する表現は法令に違反するおそれがあると警告しました。A1が混ざらないように管理する工程がとられています。


Q. 乳糖不耐の人はA2ミルクを飲めば症状が出ませんか 2025年に酪農科学の学術誌に載ったフィンランドの試験では、乳糖不耐の人では乳糖の量が増えるほど症状が増えました。乳糖を除いた牛乳と比べたとき、A2ミルクが優れるという結果は出ていません。乳糖不耐の症状には、たんぱく質の種類ではなく乳糖の量が直接関わります。


Q. A2ミルクはいつからあるのですか もとはすべての牛がA2型の遺伝子を持っていたと考えられています。進化の過程でヨーロッパ地域の牛で変異が起き、A1型を作るようになったと考えられています。現在、アフリカおよびアジアの牛はほとんどがA2を産生しますが、ヨーロッパやアメリカ、日本などの牛は両方を産生します。



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この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。

 
 
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