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大豆製品でお腹が張るのはなぜか

  • 8月18日
  • 読了時間: 6分

更新日:8月20日

大豆プロテインを飲み始めたのにお腹が張る原因は、不調の仕組みが乗り換えていないからです。牛乳でお腹がゴロゴロするから大豆製品に切り替えたとしても、同じ症状を引き起こす別の構造が働いています。大豆か牛乳かという素材の違いの前に、たんぱく質を消化する過程で何が起きているのかを整理します。



たんぱく質を増やすこと自体がお腹の負担になる


朝のトーストに粉末を溶かした飲料を添えたり、運動後に一気に飲み干したりする場面で、お腹が張ってガスが溜まることがあります。たんぱく質の消化は胃から始まります。胃酸によってペプシノーゲンがペプシンに変わります。強い酸性の環境下で、たんぱく質の内部の結合を切断して細かくします。その後、十二指腸へと進みます。膵臓から分泌された酵素が活性化し、トリプシンなどとなってさらに結合を切ります。最終的にアミノ酸や短い鎖の状態になって吸収されます。この消化の工程が追いつかず、未消化のたんぱく質が大腸に届くことがあります。

消化器系の医学誌に2013年に掲載された二重盲検の試験があります。自己申告で小麦のたんぱく質に敏感だと感じる37人を対象にしました。発酵しやすい糖質を減らした食事のうえで、小麦のたんぱく質を負荷しました。その結果、特異的な反応が見られたのは参加者の8%だけでした。小麦のたんぱく質を足したときも、牛乳由来のホエイたんぱく質を足したときも、同じように症状が悪化しました。2018年に同誌に載ったノルウェーの試験でも、糖質を負荷したときの症状スコアのほうが有意に高く、たんぱく質と偽薬のあいだに差はありませんでした。特定のたんぱく質が犯人だと思われていた症状が、たんぱく質を足す行為そのものによる負担だった例です。



乳糖を避けても不調が残るという事実がある


牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするからといって、大豆製品に乗り換える人がいます。しかし、素材を変えても症状が消えないことがあります。国内で行われた臨床研究があります。日常的に牛乳や乳製品でおなかに自覚症状が出る人に、誰が何を飲んでいるか分からない状態で牛乳を飲ませました。その結果、原因とされやすい乳糖を減らした牛乳を飲んでも、明らかな症状を訴える人が一定数存在しました。この結果から、乳糖を原因としない消化器症状を発現する人が一定数存在する可能性が指摘されています。

2025年に酪農科学の専門誌に掲載されたフィンランドの試験もこれを示しています。牛乳で不調を訴える36人を対象にした試験です。乳糖を消化できる人では、A2型の牛乳と、たんぱく質を分解済みの通常の牛乳のあいだに症状の差はありませんでした。一方、乳糖を消化できない人では、乳糖の量が増えるほど症状が増えました。乳糖を除いた牛乳と比べたとき、特定のたんぱく質を持つ牛乳が優れるという結果は出ませんでした。牛乳で不調になる人は一枚岩ではなく、原因は人それぞれです。大豆に変えれば必ず解決するわけではありません。



たんぱく質の構造と消化管での働きは素材ごとに違う


牛乳のたんぱく質にはA1型とA2型があります。端から67番目のアミノ酸がヒスチジンならA1型、プロリンならA2型になります。A1型はここが胃や腸の酵素で切断されやすく、上流のアミノ酸が切り出されて特定のペプチドができると言われています。A2型は酵素の影響を受けにくく、生成されないとされます。しかし、これは試験管の中での確認にとどまります。実際に人間の胃や小腸で生成され、吸収されて体に作用するかについての臨床的な検証は十分に行われていません。

欧州の食品安全機関が2009年に出した報告書があります。そこでは、体に作用する配列をもつペプチドは牛乳に固有のものではないと結論づけています。動物性だけでなく、植物性のたんぱく質からも同じような配列が見つかっています。同報告書は、大豆由来のペプチドに関する報告も引用しています。大豆プロテインを選んだからといって、たんぱく質由来のペプチドの影響を完全に避けられるわけではありません。同じ症状を引き起こす別々の仕組みが、それぞれの素材に並んでいます。



胃の中で固まる仕組みが消化を助けている


牛乳のたんぱく質の大部分を占めるカゼインは、胃に入ると胃酸で凝集します。ヨーグルト状の塊になり、いったん胃に留まります。この現象が、牛乳は胃の中で固まるので消化されにくいという誤解を生むことがあります。実際は全く逆で、固まるからこそ消化が良くなります。胃に留まることで、酵素がじっくりとたんぱく質に働きかける時間を確保できます。

一方、ホエイたんぱく質は胃酸で凝固しません。そのため、カゼインより先に分解されて吸収されます。大豆のたんぱく質も、牛乳とは異なる消化のペースを持っています。消化の速度や胃での振る舞いが違うため、一度に大量に飲むと胃腸への負担が変わります。どのたんぱく質が優れているかという単純な比較ではありません。自分の消化器官がどのペースでの処理を得意としているかを見極める必要があります。明日の朝、棚からどのプロテインを選ぶかは、自分の胃腸の声を聞いて決めることになります。



よくある質問


Q. 大豆プロテインでお腹が張る場合、どうすればいいですか

一度に飲む量を減らして、消化器官への負担を分散させます。朝のトーストと一緒に大量に飲むのではなく、数回に分けて少しずつ飲みます。処理能力には個人差があるため、自分の適量を探ります。


Q. 乳糖でお腹がゴロゴロするなら大豆に変えるしかありませんか

大豆以外にも選択肢はあります。乳糖をあらかじめ分解した牛乳や、乳糖が少ないチーズなどを試すことができます。乳糖が原因だと思っていた不調が、実は別の要因から来ていることもあります。


Q. A2ミルクならお腹が張りませんか

人によります。A2ミルクは特定の遺伝子型の牛から搾った牛乳ですが、乳糖は通常の牛乳と同じように含まれています。乳糖を消化できない人の場合、飲んでもお腹が張る症状は出ます。


Q. プロテインの種類を変えれば不調は完全に治りますか

完全に治るとは断定できません。たんぱく質を足すこと自体が負担になっている場合、素材を牛乳から大豆へ変えても症状が残ることがあります。不調が続く場合は医療機関にご相談ください。



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この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。

 
 
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