開封したバターはいつまで使えるのか
更新日:8月20日
開封したバターの賞味期限は、パッケージの日付とは関係がなくなります。賞味期限とは未開封の状態で正しく保存した場合の約束だからです。銀紙を開いた瞬間から、バターの時間は新しい時計で動き始めます。その時計の針を読むのは、印字された数字ではなく自分の鼻です。
バターの劣化は空気に触れた表面から進む
乳等省令では、バターは乳脂肪分80.0パーセント以上・水分17.0パーセント以下・大腸菌群陰性と定められています。水分が極めて少ないため、菌が繁殖して腐るという変化は起きにくい食品です。その代わり、脂肪分が空気に触れることで酸化していきます。酸化が進むと、古い油のようなにおいが立ち上ります。これがバターの鮮度が落ちた合図です。切り口の表面が黄色く濃くなっていたら、そこから酸化が始まっています。劣化は表面から進むため、空気に触れる面積を減らすことが鮮度を保つ最大の防御になります。銀紙をぴったりと貼り直すか、密閉容器に移し替えて冷蔵庫の奥にしまうのが効果的です。ドアポケットは開け閉めのたびに結露しやすいため、バターの居場所には向きません。正しく保存したバターは、季節ごとに違う表情を見せてくれます。
季節で変わる繊細な香りを守り切る
私たちは北海道西興部村で、小さなロットでバターを作っています。生乳からクリームを分離し、チャーニングと呼ばれる工程で激しく攪拌してバターに仕上げるのです。この作り方だと、牛が食べた草の香りがそのままバターの風味に直結します。夏場に青草をたっぷり食べた牛の乳で作るバターは、青草の香りが立ち、すっきりと軽やかな味わいになります。色は黄色みを帯びるのが特徴です。一方、冬の貯蔵草を食べた牛の乳は、乳脂肪が乗ってコクが増し、濃厚になります。色は白に近づき、草の香りは穏やかなものに変わります。お客様からは「軽さに驚く」「あっさりしている」という声がよく届くのです。開封後は、この繊細な香りが冷蔵庫内の他の食品のにおいに負けやすくなります。におい移りを防ぐためにも、開けたら早めに使い切るのが一番です。それでも使い切れないときは、時間を止める方法があります。
冷凍保存で酸化のスピードを遅らせる
どうしても使い切れないときは、冷凍庫で保存します。酸化のスピードを極限まで遅らせることができるのです。
1回に使う分量に切り分ける
ひとつずつラップで空気が入らないように包む
さらにチャック付きの保存袋に入れる
使うときは、冷蔵庫に移してゆっくり解凍するか、凍ったままフライパンに入れます。朝のトーストに塗るなら、前日の夜に冷蔵庫へ移しておけばちょうどよい固さになります。一度解凍したバターを再び冷凍すると風味が損なわれてしまいます。使う分だけを取り出すのが鉄則です。冷蔵庫の扉を開けて、今日のバターの香りを確かめてみませんか。
よくある質問
Q. 賞味期限が切れた未開封のバターは使えますか
賞味期限は美味しく食べられる期限の目安です。未開封で冷蔵保存されていれば、すぐに食べられなくなるわけではありません。ただし、風味は少しずつ落ちていきます。においや色を確認し、気になる点があれば使用を控えます。
Q. バターの表面にカビのようなものがあります
水分が極めて少ないバターでも、パンくずが付着するとそこからカビが生えることがあります。使うときは、常に清潔で乾いたナイフを用意してください。カビを見つけたら、目に見えない菌糸が奥まで伸びている可能性があるため、潔く処分します。
Q. 冷蔵庫でバターがカチカチになります
乳脂肪の性質による自然な状態です。使う10分ほど前に室温に出しておくと、ナイフがスッと入る固さになります。電子レンジで急激に温めると、一部だけが溶けて液状になり、元のなめらかな状態には戻りません。
Q. 料理に使うなら古いバターでも平気ですか
加熱しても酸化した油のにおいは消えません。むしろ熱を加えることで嫌なにおいが際立つことがあります。生で食べて美味しくないバターは、料理に使っても全体の味を落とします。
関連する用語
この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。


