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同じバターなのに色が変わるのはなぜか

8月17日
読了時間: 6分

更新日:8月20日

いつも買っているバターの色が、前回より黄色かったり白っぽかったりするのは、牛が食べていた草の色がそのまま出ているからです。色のばらつきは製造のブレではなく、季節ごとの自然な変化の証です。一年を通じて均一な色をしているバターは、原料の配合を調整して色を揃えているということでもあります。



バターの黄色みは牧草のベータカロテンが乳脂肪に移ったものです


冷蔵庫から出したバターを包丁で切り分けるとき、その断面の色をじっくり見たことはあるでしょうか。 いつもと同じ商品を買ったはずなのに、黄色が濃いときもあれば、少し白っぽいときもあります。 この色の正体は、牛が食べていた草に含まれる色素です。 ベータカロテンは脂溶性のため、牧草由来のものが乳脂肪に移り、バターの黄色みとして現れます。 牛は食べた草の成分を体内で消化し、ミルクへと作り変えます。 そのミルクから作られるバターは、乳等省令で「生乳、牛乳又は特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したもの」と定義されています。 バター1キログラムを作るには、生乳が約20から23キログラム必要とされます。 スーパーでよく見かける200グラムのバターには、約4リットルの生乳が使われている計算です。 これだけの量のミルクから水分を抜き、脂肪分だけをぎゅっと凝縮するため、わずかな草の色の違いがバターの色として強く反映されます。 草の色がミルクに溶け込み、さらに濃縮されてバターの黄色みになるという仕組みです。



夏のバターは青草の香りが立ち黄色みを帯びます


私たちが作るグラスフェッドバターは、季節によって色も味もはっきりと変わります。 牛たちが放牧地で青草をたっぷり食べる夏の間、バターの色はひときわ鮮やかな黄色になります。 夏の太陽を浴びて育った牧草には、ベータカロテンが豊富に含まれているからです。 2016年に米国の乳製品科学の学術誌へ掲載された、放牧と舎飼いの給与体系を比べた研究があります。 そこでは、放牧された牛の乳から作ったバターは、混合飼料を与えた牛の乳から作ったバターに比べ、トランスベータカロテンや共役リノール酸(シス9トランス11)の濃度が有意に高かったと報告されています。 この時期のバターは、青草の香りがふわりと立ち、すっきり軽やかな味わいです。 お客様からも「軽さに驚く」「あっさりしている」という感想をよくいただきます。 グラスフェッドミルクはすっきりとして後味が軽く、ミルクの甘みが残るのが基調です。 夏の朝、こんがり焼いたトーストにたっぷりのせると、その軽やかさを実感できます。 草の香りとミルクの甘みが口の中で溶け合い、爽やかな余韻が残ります。 黄色いバターは濃厚そうに見えますが、夏場はむしろさっぱりとした仕上がりになるのです。



冬のバターは色が白に近づきコクが増します


季節が巡り、雪に覆われる冬になると、牛たちは夏に刈り取って貯蔵しておいた乾草を食べます。 みずみずしい青草ではないため、乳脂肪に移るベータカロテンの量が減り、バターの色は白に近づきます。 色が淡くなるため、味もあっさりしているように見えるかもしれません。 しかし、実際には乳脂肪が乗ってコクが増し、濃厚な味わいになります。 青草の時期に比べて草の香りは穏やかになります。 色、草の香り、コクはそれぞれ別の軸で変化する要素です。 冬は色が淡く、香りは穏やかになり、コクは増すのです。 色の濃さと味の濃厚さは比例しません。 小ロットで製造していると、季節の移り変わりがバターの仕上がりから手に取るようにわかります。 春先から初夏にかけて、この白いバターが少しずつ黄色く染まっていく過程は、作り手だけが知る季節の便りです。 冬の濃厚な白いバターは、シチューなどの温かい料理に落とすと深いコクを加えてくれます。 同じ牧場の牛から搾ったミルクでも、季節の草が変わるだけでこれほどまでに表情を変えるのです。



均一な色と季節で変わる色はどちらも品質の証です


スーパーの乳製品売り場に並ぶ多くのバターは、いつ買っても同じ淡い黄色をしています。 これは複数の牧場の生乳をブレンドし、一年を通して同じ色と味になるように整えられているからです。 乳等省令では、バターは乳脂肪分80.0パーセント以上・水分17.0パーセント以下・大腸菌群陰性と定められています。 この厳しい基準を常に満たしながら、季節を問わず均一な製品を作り続けるのは、並大抵のことではありません。 色や味が揃っていることは、高度な製造技術と徹底した品質管理の結果です。 一方で、私たちが作るような小ロットのグラスフェッドバターは、あえて色や味を揃えません。 その年、その季節の草がそのまま出ているだけの状態を大切にしています。 色のばらつきは製造のブレではなく、自然のサイクルそのものです。 均一に揃えられた安定の味を選ぶか、季節ごとの変化を楽しむか。 どちらが優れているかではなく、その日の食卓で何を味わいたいかが基準になります。 次にバターを買うときは、その色が教えてくれる背景に少しだけ目を向けてみてください。 冷蔵庫の中のバターが少し白っぽく見えたら、牛たちが冬の草を食べていた証拠かもしれません。



よくある質問


Q. バターの表面だけ色が濃くなっているのはなぜですか 空気に触れて乾燥し、水分が飛んで乳脂肪分が凝縮したためです。品質に問題はありませんが、風味が落ちていることがあります。気になる場合は表面を薄く削り取って使ってください。使いかけのバターは、切り口にラップを密着させて保存すると変色を防げます。


Q. 黄色いバターと白いバターでカロリーは違いますか カロリーはほとんど同じです。色の違いはベータカロテンの量の差であり、乳等省令により乳脂肪分はどちらも80.0パーセント以上含まれています。色が濃いからといって、カロリーが高かったり脂肪分が多かったりするわけではありません。


Q. 夏のバターと冬のバターは料理で使い分けた方がいいですか すっきりして青草の香りが立つ夏のバターは、トーストやじゃがバターなど、バターそのものの風味を味わうシンプルな食べ方に向いています。一方、香りが穏やかでコクの強い冬のバターは、ソース作りや焼き菓子など、料理に重厚感を出したいときに活躍します。



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この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。

 
 
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