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硬いバターをすぐ使えるようにする

8月17日
読了時間: 5分

更新日:8月20日

冷蔵庫から出したばかりのバターを常温に戻す時間は、室温ではなく切り方で決まります。塊のまま皿に置いて待つのではなく、薄くスライスして表面積を増やすだけで、短い時間でパンに塗れる柔らかさになります。温度を上げるのではなく、空気に触れる面積を広げることが一番の近道です。



塊のまま待つより薄く切って空気に触れる面積を増やす


冷蔵庫の中では、バターはしっかりと冷え固まっています。この冷たい塊をそのままキッチンの台に置いても、冷気は内側に閉じ込められたままです。表面だけが少しずつ柔らかくなり、中心は硬いままという状態が長く続きます。ここで必要なのは、待つ時間を長くすることではなく、バターの形を変えることです。大きな塊のまま置くのと、薄いスライスに切り分けるのでは、空気に触れる面積が全く異なります。表面積を増やすことで、室温の空気がバター全体に触れるようになり、柔らかくなる速さは劇的に変わります。これは温度を無理に上げるのではなく、熱の伝わり方を助けるという物理的な仕組みです。朝の忙しい時間にトーストへ塗りたい時や、お菓子作りですぐに生地へ練り込みたい時は、必要な分だけを薄く削ぐように切って皿に並べます。短い時間待つだけで、パンの表面を傷つけずにすっと伸びるなめらかな状態になります。電子レンジに頼ってドロドロの溶かしバターになってしまう失敗も防ぐことができます。室温や季節によって、この柔らかくなるまでの時間はどう変わるのでしょうか。



バターの硬さは季節の草と乳脂肪の質で変わる


私たちが北海道西興部村で作る国産グラスフェッドバターは、季節によって硬さや扱いやすさがはっきりと変化します。夏の間、牛たちは水分をたっぷり含んだ青草を食べて牧草地を歩き回ります。この時期のミルクから作るバターは、青草の香りが立ち、すっきり軽やかな味わいになります。色は牧草由来のβ-カロテンの影響で鮮やかな黄色みを帯びます。夏のバターは脂肪の性質が少し柔らかく、室温に出したときの緩むスピードも比較的早くなります。一方、雪に覆われる冬になって貯蔵草を食べる時期になると、乳脂肪がしっかりと乗ってコクが増し、濃厚な味わいへと変わります。色は淡い白に近づき、草の香りは穏やかになります。冬のバターはしっかりとした硬さを持ち、常温に戻す際も夏より少し時間がかかります。工場で一年中同じ品質に調整される大量生産品とは違い、季節の移ろいがそのまま形になるのがグラスフェッドバターの面白さです。季節ごとに硬さが変わるバターを、どうすれば一年中同じように扱えるのでしょうか。



扱いやすさを決めるのは製造工程の攪拌作業である


バターには、力を加えると形が変わり、その形を保つ性質があります。専門的な言葉では可塑性と呼ばれます。この扱いやすさは製造工程の攪拌作業で決まります。乳等省令では、バターは乳脂肪分80.0パーセント以上・水分17.0パーセント以下・大腸菌群陰性と定められています。生乳からクリームを分離し、激しく攪拌して脂肪の粒を集めることで、この基準を満たすバターができあがります。私たちが小さな工房で小ロット製造をする際も、この攪拌のタイミングと温度管理が仕上がりを左右します。脂肪の粒が結びつく過程で、バター特有のなめらかさと伸びの良さが生まれます。冷蔵庫の冷気で硬く締まった状態から、室温の空気に触れて少しずつ緩んでいくとき、このなめらかさが顔を出します。塊のままでは外側だけが緩み、中心は硬いままです。だからこそ、切るという動作を通じて、製造工程で生まれた本来のなめらかさを引き出すことが重要になります。切るという動作を、具体的にどう日常の台所に取り入れればよいのでしょうか。



すぐに使いたい場面に合わせて切り方を変える


すぐにバターを使いたい場面に合わせて、切り方を変えることで必要な柔らかさを手に入れられます。


  • トーストに塗る時:ピーラーやチーズ削り器で表面を薄く削り取ります。

  • 焼き菓子に使う時:包丁でサイコロ状に細かく刻み、ボウルの内側に貼り付けるように広げます。

  • パン生地に練り込む時:薄いスライスにして、まな板の上に間隔を空けて並べます。


このように形を変えるだけで、待つ時間は大幅に短縮されます。お客様から「軽さに驚く」「あっさりしている」という声をよくいただく当社のグラスフェッドバターも、薄く削って温かいパンに乗せると、すっきりとした後味とミルクの甘みがより一層引き立ちます。無理に温めるのではなく、空気に触れさせることで、バターは自然にその風味を開いていきます。冷蔵庫の扉を開けたとき、今日はどの切り方でバターの風味を引き出してみますか。



よくある質問


Q. 電子レンジで常温に戻してもよいですか 電子レンジを使うと、外側だけが溶けて液体になり、中心は硬いままという状態になりやすいです。お菓子作りやパン作りでは、溶けすぎたバターを使うと生地の仕上がりが変わってしまいます。薄く切って室温の空気に触れさせる方法が、状態を目で確認しやすく確実です。


Q. 冷凍したバターはどう戻せばよいですか 冷凍したバターを急激に温めると、水分と脂肪が分離してしまうことがあります。使う前日に冷蔵庫へ移してゆっくり解凍してから、必要な分を薄く切って室温に出すのがおすすめです。


Q. 常温のまま出しっぱなしにしてもよいですか バターは温度が高くなると風味が落ち、表面から酸化が進みます。使う分だけを切り出し、残りはすぐにラップや銀紙で空気を遮断して冷蔵庫へ戻してください。



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この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。

 
 
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