バターとマーガリンは何が違うのか
更新日:8月20日
バターとマーガリンの違いは、原料と法令上の区分にあります。スーパーの冷蔵棚では隣同士に並んでいますが、この2つは同じ食品カテゴリですらありません。片方は生乳から作られる乳製品であり、もう片方は食用油脂から作られる加工油脂です。
バターは生乳から作る乳製品であり、マーガリンは食用油脂から作る加工食品である
マーガリンは食用油脂を原料とする加工食品で、日本農林規格(JAS)では油脂含有率80パーセント以上のものをマーガリン、それ未満をファットスプレッドと区分します。
一方のバターは、乳等省令が定める乳製品です。乳等省令では、バターは乳脂肪分80.0パーセント以上・水分17.0パーセント以下・大腸菌群陰性と定められています。原材料名に記載されるのは生乳です。法令上の区分そのものが違う事実を知って冷蔵棚を見ると、見え方が変わってきます。乳製品であるバターは、自然の生乳の性質をそのまま受け継ぐ食品です。生乳の性質は、季節によってどう変わるのでしょうか。
バターは季節の移り変わりとともに色と香りを変える
生乳から作られるバターには、牛が食べたエサの影響が現れます。北海道西興部村で国産グラスフェッドバターを製造している当社では、季節ごとの生乳の変化を日々確かめています。
夏と冬では、仕上がりが明確に異なります。青草を食べる夏の時期は、青草の香りが立ち、すっきり軽やかな味わいです。青草のβ-カロテンの影響で、色は黄色みを帯びます。一方、貯蔵草を食べる冬の時期は、乳脂肪が乗ってコクが増し、濃厚になります。色は白に近づき、草の香りは穏やかになります。
注意したいのは、色・草の香り・コクはそれぞれ別の軸だということです。冬は色が淡く、香りは穏やかになりますが、コクは増します。当社のバターを食べたお客様からは、「軽さに驚く」「あっさりしている」という反応をよくいただきます。グラスフェッドミルクはすっきりとして後味が軽く、ミルクの甘みが残るのが特徴です。
生乳の個性をそのまま形にする小ロット製造の実際
加工食品であるマーガリンは年間を通じて一定の品質になるよう製造されます。一方で生乳から作るバター、特に当社のような小ロット製造では、季節の移ろいを均一化せずにそのまま形にします。
製造工程には、クリームを激しく撹拌して脂肪球を集めるチャーニングという作業があります。夏と冬でクリームの状態が異なるため、温度や時間を微調整します。作り手は、その日の生乳の状態と向き合いながら仕上げていくのです。
冷蔵庫のバターが少し黄色いか白いかを確認するだけで、牛たちが食べていた草の風景が見えてきます。
よくある質問
Q. バターとマーガリン、どちらを塗るべきですか? ミルクの風味やコク、季節による味の違いを楽しみたい場合はバターが適しています。軽さや塗りやすさを重視する場合はマーガリンやファットスプレッドが選ばれることが多いです。
Q. バターの色が季節で違うのはなぜですか? 牛が食べるエサが変わるためです。夏に食べる青草にはβ-カロテンが多く含まれ、乳脂肪に移ることで黄色みを帯びます。冬は貯蔵草を食べるため白に近づきます。
Q. マーガリンの代わりにバターを料理に使っても同じですか? 風味や仕上がりは異なります。バターは乳脂肪特有の豊かなコクと香りがあり、加熱することで香ばしさが増します。料理にミルクの風味を足したい場面で活躍します。
Q. バターの保存方法で気をつけることはありますか? 周囲の匂いを吸収しやすい性質があります。開封後はラップでしっかりと包むか、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存してください。
関連する用語
この記事はミルクデザイン株式会社が作成しています。北海道紋別郡西興部村で、萩原牧場のグラスフェッド生乳から牛乳・ヨーグルト・バター・チーズ・アイスクリーム・ソフトクリームを製造しています。


